野菜

行った場所の記録

文学とビールー鴎外と楽しむ麦酒の話に行ってきた。

友人に誘われて、千駄木にある森鴎外記念館に行ってきた。小雨が降る中、古い感じの建物かしらと思いながら行ってみたが、こじんまりとした、わりと新しい綺麗な記念館だった。

白山から歩いて向かった。お寺が多くてどこか静けさと昭和の息遣いが聞こえるような街並みだった。あらためて今度散歩してみたいと思う。

友人と合流して中に入る。はじめに常設展を観に行く。鴎外の生涯について説明されているパネルを順番にたどっていく。

時折、自筆原稿のデータを写しているタッチパネルがあってとても良かった。鴎外の原稿は私でも字を追えるくらい読みやすい字で書かれていた。生涯を追った展示の最後には「森林太郎として死にたい。」と書かれた有名な遺書も見ることができた。

個人的に良かったのは、鴎外と文豪たちとの文通の記録だ。鴎外は非常に面倒見が良い性格をしていたことは何となく知っていたので文豪たちが親しみを持った、時には冗談を洒落を交えた手紙を鴎外に送っているのをみて胸がほかほかと暖かくなった。写真が取れなかったこともあり、あまり記録してこなかったのが悔やまれる。今度はきちんとメモ用紙を持っていこう。

友人は鴎外の子供達の名前をじっと見ていた。長女の茉莉の名前が可愛いと言っていた。

常設展を見終わったあと、特別展に移動する。

日本におけるビールの歴史や、その歴史に合わせてビールが登場する小説の文の引用があって文学館らしい演出だなと感じた。太宰のカフェで頬杖ついてる写真が表紙の雑誌も展示されていて『人間失格』が映画でやっているから…?と勘ぐったり。

森鴎外とビールについてのスペースもあった。

鴎外がドイツ留学中、ビールと利尿作用に関する研究の被験体にされてたり、ドイツ人はビール20杯飲む人もいるのに自分はビール3杯が限界だと日記に書いてたり、父親に飲酒もほどほどにと手紙で諭されてたりしていた。

鴎外に対してスーパーエリート超人というイメージが個人的にあるので、ビールがあんまり飲めないと日記に書き残しているのはなんだか可愛くてきゅんとしてしまった。

展示を見終わってから館内ショップに立ち寄ると鴎外の作品の表紙の柄のクリアファイルがたくさん売っていた。とてもお洒落で可愛かったので『即興詩人・上』柄のものを買った。

手ぬぐいや、期間限定で鴎外の故郷石川県で作ったビールを売っていた。

10月から鴎外と永井荷風の展示がはじまるようなのでまた近々行きたいと思う。

なかなかファンキーな感じの鴎外の缶バッチ、心惹かれているので今度また、買いたいな。