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行った場所の記録

ハマスホイとデンマーク絵画展に行ってきた

 冬晴れの空が澄んで見える1月末に上野の東京都美術館で開催されているハマスホイ展に行ってきた。ハマスホイはデンマークの近代画家だ。西洋美術館に展示されている作品を観て以来ずっと気になっていた。

みはしの蜜豆でお腹を膨らませつつ、事前に購入した前売り券を手に都美術館に向かった。

ハマスホイ展の展示フロアは3つあった。1つ目はデンマークの近代の画家の展示、2つ目と3つ目がハマスホイの展示だった。平日だったからだろうか、それとも展示スペースが広かったからか、人はいるもののじっくりと見ることができた。

照明が落とされた部屋の中、水色の壁に冷たい大気と晴れの日の暖かさをわずかに感じられるような自然豊かな北欧の風景画がずらりと並んでいた。油絵がほとんどで絵の前に立つと実際にその風景を見ているような気持ちになった。

素人のため、あまり詳しいことは言えないが、じっくりと見ると色の重ね方が違うことに気がついた。その効果によってだろうか、立つ場所によって絵の中の光の加減が違うことが面白かった。部屋の中にいる人物を描いているようなものは窓から差し込む光と展示品にあたっている光が絶妙に合って逆光や、眩しさを感じることができた。

1つ目のフロアは閑静な風景画の他、漁師や海沿いの町を描いたもの、人物画が展示してあった。空の青、海の青、瞳の青。すべてのものが青くぼんやり発光しているように見えた。

2つ目のフロアからハマスホイの展示が始まった。風景画のほか、屋内にいる妻イーダの姿を多く描いていた。結婚したばかりのイーダの姿、10年後のイーダの姿、その両方を見て年月の重さを感じられたのは良かった。部屋の色や、健康状態によって肌の色艶が違ったこと、服装の雰囲気が年を重ねてもあまり変わっていなかったことは印象的だった。

また、絵画の中に出てきたハマスホイの家で使われていた陶器の入れ物が飾ってあったことに感動した。継いだあとが年季と生活を醸し出していた。

今まで西洋の絵画は宗教画か、明るい色味の緻密でリアルな油絵か、ピカソのような奇抜なもの、あるいは社会批判を含むポップなもののイメージが強かった。ハマスホイを含むデンマークの絵画が落ち着いた色味の、静かで美しいものだったことは新鮮だった。個人的には好きだなと思った。

写真撮影は禁止されていたためポストカードを買って帰った。ミュージアムショップで売られていたカップやバッチ、ピアスなどの装飾品もシンプルでおしゃれだった。

絵画の新しい魅力を発見できてよかった。

いつかデンマークに行きたい。