次朝・桜二郎二人会鑑賞レポ(全部家)
11月某日。
落研時代にお世話になっていた先輩と、落語に人生を着実に狂わされている親愛なる同期が二人会をやるということで鑑賞してきた。
場所は池袋ということで、なんだかシャレた壁色の貸しスペースが会場だった。
腰を落ち着かせ、会がはじまるのを待つ。Twitterで事前に提示された番組表は「お楽しみ」ばかり。情報0じゃん。なんで提示したんだ。
あれこれ考えているうちに、前座の上がりがなり始めた。開口一番、二松亭菊太夫くんが高座に上がった。
https://twitter.com/jicho_ojiro?s=21
久々の高座ということでなんだかはにかんでいた。コロナで世の中が激変しても彼は変わらず手足が長くて顔が小さい。
自分の後に出る演者を枕で持ち上げることを決して忘れず、落語も安定していて、しっかり次の演者に繋ぐ、後輩兼前座の鏡だった。
真田小僧、だんだん金銭要求やりとりがスピードアップするのがツボにハマってしまうね。
次朝「鈴ヶ森」
菊太夫くんの枕の流れを汲んだネタの選択。こういうことできるのが次朝先輩だなあと。
多分、ご本人の十八番のネタなので口調や仕草が生き生きしていた。正直、わたしはこのネタを祖父母の顔くらいは見ているけれど、毎回工夫があるからオチまでしっかり見れてしまう。
桜二郎「大工調べ」
仕事を辞めるらしい。仕事を辞める話をしている彼の瞳はものすごく澄んで輝いていた。
ふと気がついたら落語めちゃくちゃ上手くなっていたよね…と思った。振り返ると落語をたくさん聞いてたし、練習もかなりしていたのだけれど。高座の上で自然に彼が落語の登場人物になるのは努力と才能の賜物なんだろうなと思います。
佐和「たいこ腹」
歯切れが良くて心地良い〜!!!!
今回はゲストということで、佐和さんは江戸っ子がものすごく似合う女の子だ。
結構ブラックな描写が多い噺なのに佐和さんがやると嫌なところが一切ないのが良いな…と思いました。佐和さんの高座、ここ最近は本当に観れてなかったのでまたいつか観れると良いな…とひそかに願っている。
桜二郎「目黒のさんま」
肩の力を抜いて観れる一席。お殿様のしっかりしてないところがハマり役だな〜とひそかに思った。こういうと悪口みたいになってしまうな。
膝として、大トリの先輩にしっかりバトンタッチしていたな、と。
次朝「紺屋高尾」
長いネタをかけている次朝先輩、本当に良いんですよ。本当に、良いんですよ。本当に。
大事なことなので3回言いました。
緩急がプロだ〜という感じで。今回のネタは一途な感じもご本人に合ってました。
何でこういうネタ普段あんまりやらないんですか?何で???
全てのネタが終わったあと、次朝先輩と桜二郎くんが笑いながらやりとりをしていて、会場の空気も暖かくて観に来て良かったなあとしみじみと思いました。演者の皆様お疲れ様でした。
だいぶ熱がこもってしまった。
なぜ、感想を送る先があるのにブログにこんなに長々と書いているかと言えば、感想フォーラムに送った感想文が長すぎてエラーを起こし、丹精こめた文章が泡沫のごとく儚く弾け飛んだから。
文字制限が厳しいよ。南無三。