野菜

行った場所の記録

はじめてのインド映画

2月某日。初めてインド映画を観に行った。

その映画の存在についてはツイッターで知った。レポ漫画が面白く是非観に行きたいと1月から思っていた。

前日は初めてのインド映画、しかも2時間半の長編映画。前夜、興奮してインド映画へのときめきをツイートをしてしまった。

当日、はじめは2時間ほど前に映画館に行きチケットを購入する予定だったが20分の遅刻と駅を一駅間違えるという凡ミスを重ねたお陰でチケット残数が僅かとなり一緒に観に行った人にネット購入をしてもらった。ありがとう。

観に行った劇場は新宿のシネマカリテ。なんと地下に劇場(しかもシアターが2つだけ)があるタイプの映画館だった。みんなお馴染みの映画館TOHOであればまず見ない仕様である。大人の秘密基地のようだった。大学生になってからこのようなところを知る機会が増えて楽しい。

チケットを発券して開場を待つ。こじんまりした売店兼フロントの壁際にたくさんの人が連なり待っていた。

開演10分前になった。映画館の方が開場を告げるとともに予告が無いことを注意していた。

予告なしで164分。長い。アニメ映画の倍近い。期待に胸を膨らませながら中に入ると満席だった。チケットは完売していた。

〔EROS〕と書かれたシンプルなロゴが画面に現れた。おそらく映画会社の名前である。共に映画を観た人は後にロゴのシンプルさと名前の色っぽさ、インドのイメージも含めて不安を感じたと語った。しかし、エロスはギリシャ神話のれっきとした神の名前であること、映画を最後まで見た結果として、その考えは愚直な煩悩であることがわかった。

映画館の方の注意どおり映画はすぐに本編に突入した。以下、ネタバレにならないように気をつけながら書いていこうと思う。

【インド映画について】

この映画を見る前のインド映画のイメージは

・踊る

・色彩派手

・スタイリッシュに踊る

・なんでもありの超展開

・楽しそうに踊る

・スパイスが効いていそう

・とにかく踊る

だった。なんだったら映画の全編踊っているんじゃないかと思っていた。踊ることとスパイス以外のことは最早出てこないのでは。と思っていた。実際に映画を観て変わった認識も多かったのでまとめていく。

〔踊ることについて〕

観る前は、映画で急に踊ることについての違和感と踊りだけ浮くことはないのかという疑問を持っていた。映画を実際に観た結論として、違和感は全く感じられなかった。インド映画において踊りは感情表現の一種であるのだなと思った。

わたしたちは楽しいと笑うし、嬉しいと微笑むし、食事の前はうきうきしてくる。それと同じなんだと思う。楽しいと踊るし、嬉しいと踊るし、食事の前にうきうきしていると踊る。

そのため映画の中では非常にスムーズにダンスシーンに移行していた。人が顔に表情を表す際に唐突さや違和感は基本的には感じない。それと同じなんだろうと思った。

〔色彩について〕

非常に鮮やかだった。インドが持つ鮮やかさは美しいなと感じた。

特に赤系統の色が良かった。沈んだ赤であっても温かみを感じられる。インドに行ったら赤い生地を買おうと思った。

また、下町やパキスタンとの国境近くが映されることが多かったのだが、砂漠や山、下町の景色、寺院、モスク全ての映像が綺麗だった。

あと、ダンスシーン。色の統一がきちんとなされているのとめちゃくちゃ色のついた粉が飛ぶ。

半分くらいは作品それ自体の感想になっていると思う。本当に映像が綺麗な作品だった。

〔映像効果について〕

アクションとコメディ映画を混ぜた感じだった。派手に人は飛ぶし、急に映像がスローモーションになったりズームになったり、コマ送りになったりする。一緒に観た人の感想を借りると「シリアスな感じとかから急にコミカルになる」とのことだった。同意する。

 

その他、BGMが楽器の音だけでなく実際に歌っている曲が使われていて驚いた。

バックグラウンドも主役の一つだった。

 

【作品について】

大まかなあらすじはインドに母親と来たパキスタン人の話せない少女が母親とはぐれてインドに残されてしまい、インド人のおじさんが少女をパキスタンに返すために奮闘する。といった内容だった。インドとパキスタン、隣国でありながらパスポートと旅券が無ければ帰ることが不可能になる非常にシビアな現状が描かれていた。(ちなみに、レポ漫画の言葉を借りると「絶対に嘘をつけないヒンズー教徒のおじさんとしゃべれないイスラム教徒という縛りプレイ」)

ただし、社会背景はシビアだけれど登場人物がごく少数を除き良い人ばかりだった。

何より主人公の1人、ハワン(通称バジュランギ)を筆頭にイケオジ登場率8割、多種多様なイケオジを拝むことができ、となりに必ず6歳の笑顔が可愛らしい美少女(ムンニー、お嬢さんの意味)がいる画面が最高だった。あとムンニーの仕草が可愛い。

いろいろ書きたいこともあるけれどこれ以上は本当にネタバレになりそうなので割愛。総括すると宗教、社会問題、人間それ自体について非常に考えさせられる、それでも温かい映画だった。

『バジュランギおじさんと小さな迷子』

観に行くのであれば真ん中の席で観ることをお勧めします。(体感時間は短いけど実際は長いので首をよく労ってね!!!)